子宮防衛隊(C.Q.A.)のコラム 「子宮上々」 第16回
”骨盤は本当にゆがむのか?”
ちょっと子宮から離れるかもですが、 前回ちょっとゆがみ的な話になったのでついでにその延長で。
講習していると昔からよく頂く質問の一つに
「骨盤ってずれたり歪んだりするんですか?」
というものがあります。
この質問がいつまでも続くのは、 表現する側の問題なのかなと思います。
”骨盤矯正”とかいうなんかそれらしい言葉が 骨がギシギシ歪むようなイメージに人を錯覚させるのだと思います。 これに対する科学的根拠はゼロです。 医学的にもそんなものは認められていません。
下の図を見て下さい。 骨盤内で動く動かないと長い間議論されているのは、 この仙腸関節の部分のことなのではないかなと思います。
簡単に結論から言ってしまうと、 骨盤そのものは歪みません。
骨盤とは”かなりしっかりテープで止められた強固な箱”のようなものなので、 ちょっとやそっとでずれたり歪んだりすることなんてありえません。
それがもし起こってしまうと、 通常は、歩けないや動けないということになります。
関節が1cmもずれれば(もちろん肩や肘や膝、背骨など、もともと動きの多い関節では起こりえます)、 それはヘルニアや、すべり症、脱臼などという 病気・怪我の一種ということになります。
仙腸関節は、ヒトが4つ足で生きていた時代の残りといわれていて、 ほんのわずか動くことがいまだに出来ます。 ただ、あくまで数ミリ、というか角度が数度の話です。
なのでまあ完全に止まってはいないので歪むやん! と主張する方もおられるかもですが しょせんほんの数ミリの話です。 生まれつき完全に左右均等の人などはまずいないですし。
ただコリやすい場所ではあるので、 このあたりのマッサージはとても効果はあるとはいえると思います。
例外として考えられのは、恥骨結合。 生理周期、妊娠、出産、(場合によっては産後も)わずかに開くと言われています。 ただ、一番開くと考えられる出産時でも1cm強程度 (体格により個人差はありますが)といわれていて、 ミリ単位の人もいますし、全く開かない人もいるそうです。
骨が1cmも動くということは、それだけ異常なこと大変なことなのです。
それ以上無理やりとなると、場合によっては骨折ということになります。 ある程度以上開くと、それはもう開きとかいうレベルでなくて怪我です。
また通常は産後には自然と数ヶ月かけて元の状態に戻るといわれています。
これは考えたらとてつもない痛みのはずで、 ある意味、いきなり肌が避け、骨の結合部がミシミシと開いていくのです。 想像しただけで出産の大変さがわかります。 男ならたしかに気絶してしまうかもしれません。。。
ちなみにタイには、 産後すぐに骨盤を横からパーンと叩く! という謎の手技が一応存在していて、 それで恥骨結合の開きの戻りが早くなるのだ、 とか聞いたことはありますが、 叩くのは一回だけで、それ以降特にそこに対してアプローチしませんし、 その横からパーン!そのものが本当に効果があるのか? それともただの迷信なのか?俺にはわかりません。
ちょっと話それた。。
しかしながら!(こっちなら正解のイメージ)
ある基準値に対して、骨盤全体の位置がずれている。 ということは普通にありえます。 と言うか実際多くの人がずれていると思います。
もう少しわかりやすく言うと、 歪んでるのは体全体のバランスであって、 骨盤そのものが歪んでいるわけではなく。 骨盤という強固な箱のようなものが、 頭や胸や肩、膝や足の位置などと比較したら、 まっすぐではない位置にある。ということになります。 そしてその原因は骨ではなく、筋肉や筋膜などの軟部組織です。
つまり(この例えにこだわっているわけではないのですが) 前回、 子宮の状態は、 満員のバスや電車の中で吊革に掴まって揺れている人のようなものだ という例えを使ったのでそれでいくと、 バスや電車(骨盤)そのものがゆがむということはまず考えられないのですが、 道から少し外れてるとか、線路から少し外れている ということは普通に起こり得るのです。 (かえってわかりにくいかw)
なので、
”身体全体のバランスで見た場合、相対的に骨盤の位置がずれている”
というのはわりと正確な表現だと思います。
いわゆる猫背や反り腰なんかがそうです。
昔は、 仙腸関節は動かないって言ってたのがミリ動くとか、 軟骨は再生しないが再生するとか、 盲腸もいらないって言ってたのに今更やっぱいるとか。。。。 伝統医療っていいなあと思う。
また脱線した! 話戻して、
とにかく結論!
”身体全体が歪むことで、相対的に骨盤の位置がすれている”
ということはあります。
骨そのものは歪んだりしません。
次回以降はまた子宮の話に戻ります。
続く。。。
